かながわコロナ通信
循環器疾患と新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症が未だ蔓延しており、夏季においては脱水症と、冬季においてはインフルエンザウイルスなどの感染症との区別が難しい患者さんが多くなると思われます。
日本の循環器治療を担う日本循環器学会からは、4つのポイントが示されています。(心臓病をもつ患者さんへ: https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/04/JCS_COVID19_patient.pdf)
①症状がある時は、受診して下さい。
②お薬は、必ず継続して下さい。
③感染予防に努めましょう。
④手術・検査を延期する可能性があります。
では、もう少し説明したいと思います。
①胸苦しい症状・動悸・息切れ・失神(めまい)などは、命に関わる病気の症状である事が多いです。
医療機関側は、ダイヤモンド・プリンセス号以降の感染症の経験から、必要な感染症予防処置を行った上で、安全に症状の原因を調べ、必要な検査を行い、症状の改善を図ります。
一般的に症状が不安定に、さらに重くなってからの治療開始は、これまでも治療で得られる効果は少なく、合併症リスクも増えています。これは、新型コロナウイルス感染症においても当てはまります。
感染リスクを避ける為に、必要な受診を避ける必要はありません。
②心臓病に限らず、お薬は患者様の健康を保つために、多くの医療スタッフの検討から、患者さんに合わせて決められています。他の方と異なる処方内容であっても、安心して下さい。主治医に相談無く、休んだり、少なくしたりすることは、病気のコントロールが難しくなり、悪くする事になります。
新型コロナウイルス感染症において、高血圧、糖尿病、心臓病などが感染重症化の要因とされています。一方で十分に安定している場合は、必ずしも感染重症化の原因にはなりません。常に主治医に相談し、今の安定した状態を維持して下さい。分からない事があれば、主治医に相談下さい。
③感染予防のために、外出時のマスク、石鹸での手洗い、3密(密閉、密集、密接)を避けてください。そして自宅で出来る運動を行って下さい。筋力維持・ストレス軽減のためにも、適度な運動は必要です。もし運動の種類・程度について、分からない事があれば、主治医に相談下さい。
④医療体制を維持するのに、医療従事者を感染から守ること、緊急性の高い治療を優先して行うために、症状の安定している患者さんの手術・検査を延期することがあります。手術・検査を延期しても必要な治療は、主治医が引き続き行います。分からない事があれば、主治医に相談下さい。