神奈川県医師会について
会 長 挨 拶
― 県 民 の 皆 さ ま へ ―
令和7年6月21日、第200回定例代議員会において神奈川県医師会の会長を拝命いたしました鈴木紳一郎でございます。これまで藤沢市で医師会の会長として、地域医療に携わってまいりましたが、これからは神奈川県全体を見渡し、県民の皆さまの健康と安心を守るため、力を尽くしてまいります。
神奈川県医師会は、「命をつなぐ これまでも これからも」というマスターコンセプトのもと、地域に根ざした医療の推進、災害医療や予防接種、学校医や産業医の活動など、医療を“社会のあたりまえ”として守るための様々な活動を行ってきました。皆さまの目には見えにくい場面でも、医師会は地域医療の下支えとして、日々取り組んでおります。
私自身、藤沢市医師会会長時代に、新型コロナウイルス感染症への対応に深く関わりました。行政と連携して迅速なワクチン接種体制を整え、県内初となるドライブスルー型PCRセンターの設置や、在宅療養者への24時間体制での医療支援を実現する「神奈川モデル」の構築にも尽力いたしました。このような経験から、医療と行政、地域の連携の重要性を改めて実感しております。
現在、私たちが特に重視しているのは、医療に関する正確で信頼できる情報を発信していくことです。インターネットやSNSの時代だからこそ、正しい知識を県民の皆さまに届けることが、安心の第一歩になると考えています。加えて、少子高齢化が進み、医療従事者の不足が懸念される今、病院や診療所がある日突然なくなってしまうような事態を未然に防ぐためにも、医師会として持続可能な医療体制の構築に全力で取り組まなければなりません。
特に富士山の噴火予測だけでなく、地震や風水害など自然災害が当たり前となった現代社会において、平時からの備えと医療体制の整備が不可欠です。私たちは日頃から災害時にも機能する医療ネットワークを構築し、有事の際には迅速に医療支援を届けられる体制を整えています。医師会はまさに「見えないところで支える力」として、地域社会の安全保障の一端を担っていると自負しております。
そのために、神奈川県医師会は日本医師会、郡市医師会、そして行政や地域の関係団体と連携し、誰もが安心して医療を受けられる社会を維持できるよう努力しています。とりわけ国民皆保険制度が揺らぐことなく、患者さんが医療を受ける権利を当たり前のものとして持ち続けられるよう、制度面でも働きかけを続けています。
また、未来の医療を担う人材を育てることも、私たちの大切な使命の一つです。医療の仕事に興味をもってもらえるよう、県医師会では「神奈川でドクターになろう(かなドク)」というホームページを開設し、子どもたちや若者に向けて、医療の魅力ややりがいを伝える取り組みを行っています。将来、医師だけでなく、看護師、技師など医療従事者として活躍する人が一人でも多く育っていくことが、持続可能な医療の礎になるものと信じています。
このように、神奈川県医師会では広報・ブランディング活動にも力を入れており、より多くの県民の皆さまに医師会の役割を知っていただく工夫を重ねています。5月には「かながわMIRAIストリート」に出展し、人気アニメ「はたらく細胞」のキャラクターの衣装だけでなくドクターや看護師の衣装をまとって写真撮影ができるブースを設け、多くの親子に楽しんでいただきました。また、横浜港でおきたコロナウイルスのパンデミックとその医療の最前線に立つ現場を描いた映画『フロントライン』への後援団体として出資し、医療の現実と重要性について考えていただく機会も提供しています。こどもタウンニュースや東急のフリーペーパー『SALUS』などを通じた情報発信もあわせて行っております。
医療は人と社会の土台です。神奈川県医師会はこれからも県民の皆様からの理解と信頼を得る努力を続け“みらいにつなげる医療”を、そして“あたりまえの医療”を通して、皆さまの暮らしに寄り添ってまいります。どうぞ今後とも、私たちの活動にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和7年6月
公益社団法人 神奈川県医師会
会長 鈴木 紳一郎
神奈川県医師会は、勤務医4,012名(大学病院・基幹病院・その他病院・診療所を含む)、開業医5,650名により構成され、皆さんの医療を支えています。(令和7年4月1日現在)
神奈川県医師会役員及び職務分担(令和7年6月)
情報公開資料
- 定款
- 代議員名簿(R7.3.15現在)
- 令和5年度貸借対照表
- 令和4年度貸借対照表
- 令和3年度貸借対照表
- 令和2年度貸借対照表
- 令和元年度貸借対照表
- 平成30年度貸借対照表
- 平成29年度貸借対照表
- 平成28年度貸借対照表
- 平成27年度貸借対照表
- 平成26年度貸借対照表
- 平成25年度貸借対照表
- 平成24年度貸借対照表
- 平成23年度貸借対照表
関連施設
- 神奈川県立衛生看護専門学校
- 中毒情報相談室(業務は終了しました)
- 在宅医療トレーニングセンター
沿 革
明治26年6月25日 | 神奈川県医会として結成 会長に近藤良薫氏を選出 |
明治43年11月14日 | 医師法が公布され、医師会規則により神奈川県医師会を設立 会長に兵藤芳臣氏を選出 |
大正 9年 6月 | 医師法改正により、強制加入の神奈川県医師会に改組 会長に朝山義六氏を選出 |
大正 13年 | 会長に渡辺房吉氏を選出 |
昭和17年12月20日 | 会長に政野梅吉氏を選出 |
昭和17年12月23日 | 国民医療法が公布され、医師会令による神奈川県医師会に改組 |
昭和22年11月1日 | GHQにより、医師会令による医師会を解散 民意による社団法人神奈川県医師会を設立 |
昭和23年1月23日 | 新生医師会発足 代議会において会長に竹内一氏を選出 |
昭和28年4月9日 | 代議員会において会長に藤江武俊氏を選出 |
昭和38年4月10日 | 代議員会において会長に五十嵐貞蔵氏を選出 |
昭和54年4月12日 | 代議員会において会長に清川謹三氏を選出 |
昭和62年4月10日 | 代議員会において会長に川口良平氏を選出 |
平成9年3月15日 | 神奈川県総合医療会館が現在地に移転 |
平成9年4月15日 | 代議員会において会長に田中忠一氏を選出 |
平成19年4月10日 | 代議員会において会長に大久保吉修氏を選出 |
平成24年4月1日 | 公益社団法人に移行 |
平成27年6月23日 | 代議員会において会長に古谷正博氏を選出 |
平成29年6月17日 | 代議員会において会長に菊岡正和氏を選出 |
令和7年6月21日 | 代議員会において会長に鈴木紳一郎氏を選出 |