透析を受けられている方へ

最終更新日:2020年05月08日

・透析の方のコロナ重症度について

 日本透析医会のまとめた5/1現在の透析の方のコロナ感染状況によると、感染判明者数70名、うち死亡6名ということです。感染判明者に対する死亡率は8.6%になります。年齢層などを考慮すると一般の方より死亡リスクが高いとまでは言えませんが、注意を要する数字です。

・透析患者さんの特殊性

 血液透析の方はコロナ感染が判明した場合、軽症もしくは無症状でも自宅待機というわけにはいきません。週3回の通院治療が必要なため、自宅や施設での自主隔離ができず、現在のところは軽症もしくは無症状でも入院することになっています。ただ、今後の感染蔓延状況によっては取り扱いが変わってくるかもしれません。

・透析施設の特殊性

 大半の透析施設は比較的狭いスペースに多数の患者さんが集まって治療を行う形になっています。このため一人でもコロナに感染すると、あっという間に大規模なクラスター発生になってしまう危険性があります。治療のスペースだけでなく、待合室や更衣室内も密閉空間であるため感染が広がりやすいと考えられます。

・接触者センターの現状

 上記のような透析患者さん・透析施設の特殊性を考えるとできるだけ早期にコロナ感染を検出して適切な対応をしなければならないのですが、接触者センターでは十分にPCR検査を実施していただけていないのが現状です。そうなると接触者センターの検査を経由しない対処方法を考えていく必要があります。今後、医師会が主導する形でのPCR検査が行われることになりました。そちらにかなり期待しています。また、後述するような透析施設間の連絡網にも期待しています。

・宮前平健栄クリニックでの対応

 私のクリニックでは、発熱した場合には来院前に連絡してもらい、時間をずらしての透析としています。また、透析室の1/5くらいのスペースを仕切る形で距離をとるようにしています。透析室スタッフは、ガウン、マスク、アイシールド、手袋を用い、万一コロナ感染が判明した場合でも濃厚接触者にならないようにしています。送迎スタッフも同様の対応です。時間を決めての換気も行っています。それでも発熱の方をどうするかなどで、あたふた、ビクビクしながらの毎日です。

・川崎市北部の透析医療施設の連携

 聖マリアンナ医大病院が中心となって川崎市北部の14透析施設間で定期的に情報交換を行っています。現在のこの地域でのコロナ患者の発生状況はどうなっているか、透析の方にコロナ感染が発生した場合受け入れてくれる施設があるかどうか、その場合どのくらいの患者数まで対応できるか、などの情報です。透析患者さん・透析施設にとって大変心強い取り組みと感じています。

 

神奈川県内科医学会副会長 出川 寿一