迫る「介護崩壊」

最終更新日:2020年05月20日

 最近の報道では、全国のコロナクラスター250件のうち、医療機関での85件に次いで2番目が高齢者施設40件となっています。さらに通所系サービスにおいても撤退や自主休業が相次いでいます。

 介護保険サービスは、食事・排泄・入浴といった最低限の生活を支えています。さらにフレイル防止にも欠かせないのです。超高齢社会における重要度は医療サービスに匹敵するものです。ようやく緊急事態宣言が39府県で解除され、第一波の新型コロナウイルス感染症の収束に目途がついた今こそ、介護サービス維持という大切な課題に目を向けるべきです。

 広義の介護施設(障がい者施設含む)での最大の課題は、人材不足と医療知識不足です。両者は密接な関係があり、医療知識不足のため感染拡大、その場合はスタッフも巻き込まれることになり、休職・転職による更なる人材不足という負のスパイラルに陥ります。防護服や衛生用具などの必要資材等の国や自治体からの支援は後回しとなっており、毎日が綱渡り状態です。事業者への助成も検討されてはいるものの実際には整っていないのです。

 喫緊の対策が望まれるものは以下の3つです。

  1. 施設スタッフへの感染対策教育
  2. スタッフ・利用者(入居者)がコロナに感染した場合のPCR検査の実施
  3. 施設クラスターに備えての人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)の実施

 これらの実施には在宅医療スタッフ(訪問診療医、訪問看護師)の方たちからの積極的な協力がぜひ必要です。

 また、慢性的人材不足の介護施設において何より怖いのは「報道」と「世間の眼」です。残念ながら一部の人たちですが、介護関係者への偏見や差別は今も続いています。施設閉鎖の多くはこの風評被害による労務休業です。

 

<クラスター発生の場合>

 複数の入居者の同時入院は可能なのでしょうか。その場合の搬送手段はどのようにすればよいのでしょうか。人生会議によって入院などを希望しない場合、施設内隔離は可能なのでしょうか。

 以上のことを県民の皆様と一緒に考えることが出来れば幸いです。新型コロナウイルス感染症によって、介護施設のスタッフは精神的にも肉体的にも追い詰められています。